「藤前干潟・下之一色巡検」-中高減災チーム

 減災チームでは12月11日(日)にSGHアソシエイト企画として「藤前干潟・下之一色巡検」を行いました。
南陽高校 Nanyo company 部と合同で行った企画で、豊かな干潟環境の残る藤前干潟、そして、その豊かな恵みを享受していた漁師町下之一色の町を巡検し、干潟環境の重要性を知ると共に、環境の悪化・伊勢湾台風の襲来という2つの要因で、漁業が衰退してしまったことを考える良い機会となりました。

 藤前干潟はラムサール条約の対象となった干潟であり、ゴミ処分場の問題とのせめぎ合いのなかで、守られた干潟です。名古屋に残る数少ない干潟であります。当日野鳥観察館では、ボラを補食するミサゴやゴカイやカニなどをあさるシギ、マガモをはじめとした渡り鳥などを観察することが出来ました。そして、南陽高校の生徒さんの案内で、庄内川河口の葦原の様子を観察し、藤前干潟ビジターセンターでは、下之一色の元漁師さんをはじめ、地元のかたの協力でレクチャーを頂きました。

 午後は、下之一色の町を巡検しました。かつては1万人を誇った漁師町で、漁業に加え、水産加工業で栄え、また、津島に負けない天王社の祭があった下之一色ですが、水質の悪化と、伊勢湾台風の襲来で、漁業権を放棄して以来、衰退してしまった様子を見ることが出来ました。この巡検は、環境・産業・減災という三つの密接する要素をふまえ、持続可能性のある社会をつくってゆくにはどうすれば良いかを考えるよいきっかけになりました。