高校文学部 俳句甲子園 2年連続全国大会出場決定!

 6月14日にナディアパークオープンスペースで行われました、俳句甲子園名古屋大会にて、文学部の3年生チームが優勝し、全国大会の切符を手にしました。

 俳句甲子園は5人1グループが自分たちの句を披露し、相手の句を鑑賞しつつ批評を加える大会です。一人だけが突出していればよいのではなく、チーム全員の繋がりが大切なのが特徴です。5年前の初出場の時、「君たちの句想は俳句は破壊的。」と審査員にあしらわれた名古屋高校。それが、昨年、地方大会負けなしの絶対王者の高校を破り、今年は2年連続全国出場、名古屋の実力は文句なしに認められることになりました。

 さらに、最優秀句には、H君の「母の日や湾の抱きし舟あまた」に輝きました。

 「母の日や肩叩き券作りけり」のような、だれしもが詠みそうな俳句とは一線を画する句です。母の日と湾が多くの小舟を穏やかに包んでいる景色とをとりあわせ、子を庇護する母性をそこはかとなく醸し出している句です。今回の試合に出された全90句中、なんと審査員5人の内、3人がこの句を選んだといえば、この句のすごさがわかるかもしれません。

 しかし、ここに至るまでには多くの苦難がありました。周囲は受験モード。そんな中家族も心配します。チームメンバーの中には医学部や歯学部受験の板挟みに悩む生徒もいます。さらに文学部は俳句だけではなく、文芸部誌作成や古典研究の論文作成もしなければなりません。練習も十分取れていたとは言えません。一時は出場は止めようとも言っていました。ある先生の激烈な薫陶で目を覚ました彼らは、家族を説得し、時間をやりくりしながら、チームのために部活に参加しつづけました。一日中電車に乗りながら車窓の風景をひたすら俳句に詠み続けた練習もしました。

 結果一人200句近くを詠んでは捨てていました。

 6月17日付けの中日新聞の俳壇欄に、審査員で俳人の加藤かな文先生が、本校の句を取り上げて、当日の試合のことについて書いてくださりました。

 なお、全国大会は8月21日から、俳都松山で行われます。

中部の文芸中日新聞