教室内だけでない古典教室~文学部『伊勢物語』東下りエクスカーション

 「からころも きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる たびをしぞおもふ」
 高校古典の定番『伊勢物語』東下りのなかの歌で、東国への旅の途中、在原業平が詠んだ、技巧的かつ情趣溢れる名歌です。
 教室内での勉強だけに終わらせず、そこから一歩深める体験として、文学部古典研究会を中心に、この度、舞台となった三河八橋を訪ねました。
 カキツバタの見ごろは終わり、わずかに残るだけとなってしまいましたが、カキツバタ寺として知られる無量寿寺から在原寺・業平塚・根上り松・逢妻川・落田中の一本松と、在原業平伝承にちなむ旧跡を訪ねるとともに、鎌倉街道と東海道を歩き、当時の世界観や、これらの旧跡がどうやって創り上げられてきたのかを考えました。
特に、無量寿寺を再興した煎茶の師、方巌売茶(ほうがんばいさ)と煎茶道については、非常に興味深い点であります。江戸時代、名古屋の代表的書肆であった永楽屋(名古屋城の中に店が再現されています)からは、大ヒットの茶道入門書『茶湯早指南』(過去に文学部で研究しました)に続いて、『煎茶早指南』という煎茶道の本を出版しており、文学部では、煎茶道と売茶、そして八橋旧跡の復興とを研究してゆくことになりました。

 名古屋高校文学部は、これからも、単語と文法だけでない古典世界を垣間見る活動を続けて参ります。
(なお、今回の写真は名古屋高校写真部の生徒の撮影によるものです)