2017年度 第2回名古屋中学校説明会「名中探偵団」解答解説

2017年第二回名中説明会 名中探偵団「ナガタとオーイシの名中事件簿1 消えた入試問題を追え!」解答解説

冊子1

謎1:標本の並ぶ部屋の前に行け。ガラスの中の、赤き顔の鳥が見つめる先に、手がかりがある。

 標本の並ぶ部屋、と言えばもちろん生物室ですね。名古屋中学校の生物室には、たくさんの標本が廊下からも見えるように並べられています。その標本の列の左の方、鳥の剥製が並んでいるところを見てみましょう。顔の赤い鳥が1羽いますね、「きじ」と書いてあります。(最近携帯電話のCMでも出ていますね)このきじが見つめる方向を探してみると、ガラス窓にパスワードの半分が書かれていました。

冊子1のパスワード(前半)

23

謎2:階段横、人形に囲まれた場所に立て。一人足りない二人の男らが見つめる先に、手がかりがある。

 エントランスの右、大階段の横に、ガラスケースが2つ並んでいます。この中には、以前図書館にあった人形がたくさん飾られています(ちなみに、ここに飾られたのは今年の8月です。みなさんは飾られたばかりの人形を見た事になります。まだ本校の中にも見ていない生徒がいるくらいです)。その人形をよく見てみると、中に一組、「三人の博士」と書かれているのに、二人しかいない人形がありますね。これが「一人足りない二人の男ら」です。彼らの目線の先を調べると、パスワードの後半が見つかりました。

冊子1のパスワード(後半) 58

これで、パスワードが全て分かりました。合わせてみると「2358」となります。

冊子1のパスワード  2358

 ちなみに、この数字は「フィボナッチ数列」と呼ばれているもので、1つめ+2つめ=3つめの数字 となっています。この規則性を繰り返してできる数列です。2つめ+3つめ=4つめの数字になってますね。このフィボナッチ数列は、自然界にもよく登場しますし、映画や小説の題材になったりもします。興味がある人は調べて見るといいでしょう。

冊子2

謎3:「自分の身にキ」の下2文字

「考える、とは」の下2文字

「別な」の下1文字

すべて書き並べれば、手がかりの場所がわかる。その場所の近くの水飲み場を探せ。

 冊子2と共に、国語の入試問題の一部がもらえましたね。この問題文の中から、「自分の身にキ」と書かれた部分を探します。その「キ」の下2文字を抜き出すと、「ケン」ですね。残り2つも同じようにして、文字を並べると「ケン どう 状」 となります。ひらがなにすると分かり易いですが、「けん どう じょう」 そう、剣道場ですね。

 剣道場に行くと、入り口の向かいにウォータークーラーがあります。そこを調べると、パスワードが見つかりました。

冊子2のパスワード

「自由な考え」

パスワードの由来は、もちろん国語の入試問題の内容からです。

冊子3

謎4:

天と地が重なるとき、月に包まれた文字が手がかりの場所を示す。その場所の近く、「母の調べ」がパスワードを奏でるだろう。

 もらったアイテムを見て下さい。理科の入試問題の一部と、アワビとかチョコレートとかの、謎の言葉が書かれた用紙の2枚がありますね。その、謎の言葉の書かれた方、左上を見ると、「天」と書かれています。理科の入試問題の同じ位置を見ると、「地学分野」とありますね。これが「地」です。さあ、天と地の文字が重なるように、プリントを重ねて見ましょう。天が上、地が下ですよ。すると、理科の入試問題の月の写真の中に、丁度文字が1文字ずつ入って見えますね。その文字を並べると、「ビジュツシツ」。そう、美術室です。美術室の辺りを探すと、絵が飾られています。その題を見ると、「母の調べ」とありますね。パスワードはここに隠されていました。

冊子3のパスワード「月の光」

 パスワードの由来は、もちろん理科の入試問題ですが、「母の調べ」と言う事で、ベートーベンの月光にも引っかけてあります。

冊子4

謎5:▲の文字を読め

 今度は算数の入試問題の一部と、折れ線の書かれたプリント、文字の書かれた小さな三角形が渡されました。算数の入試問題をよく見ると、プリントと同じ折れ線の上を三角形が転がる問題が書かれています。この問題と同じ事をやればよいのです。三角形の辺と折れ線が重なるごとに、▲が三角形の周りの文字を1つ指しますね。その文字を、順番に並べていくと、次のようになります。

「マルコ12章31節」

 これは、聖書の箇所を表す言葉です。ある本とは聖書の事でした。聖書の「マルコによる福音書」の、12章31節を読み、『 』内の言葉を抜き出せば、それが最後のパスワードになります。

 最後のパスワード:「隣人を自分のように愛しなさい」

 この言葉は、イエス・キリストが教えてくれた、2つの最も大切な教えの中の1つです。隣人とは隣の人と書きますが、「他人」と読み替えてもかまいません。他人を自分の様に愛することが、最も大切だ、と教えているのです。

 名古屋中学では、ボランティア活動を勧めています。中1では、全員が1年間に何らかのボランティアを体験します。障害者の方の施設や高齢者の方の施設でのお手伝いや、川の掃除、献血の呼びかけなど様々です。これは、「他人を愛する」事の典型的な例です。他の人のために、自分が出来る事を無償で行う。とても大切な事だと思いませんか?

 名中探検隊も3年目。今回は今までとは少し変えて、ストーリー仕立てにしてみましたがいかがでしたでしょうか。毎年たくさんの人達に参加していただき、楽しんでいただいています。今年は受験問題を使った謎を作ってみました。受験問題は、受験生を苦しめるだけの物ではありません。こんな使い方もあるんだなあと思って頂けると嬉しいです。受験勉強もそうですが、決まった問題を解くだけでなく、初めて見るような問題、すぐに答えが思い浮かばない問題に対して、どう考えていくか。問題文からどうヒントを見抜くか、と言う力が大切になります。諦めずに考え続ければ、必ず合格に近づいていきます。是非頑張って下さい。

 今回も準備はかなり大変でしたが、こちらもいい経験をさせて頂けました。今回はご参加有り難うございました。次は入試で合格できますよう、お祈りしています。