関西学院大学出張講義のお知らせ

 この度、関西学院大学理工学部数理科学科の北原和明教授による出張講義を行います。数学に興味ある人はもちろん、学校で習っている数学とは一味違った数学を味わいたい人は奮ってご参加ください。

 実施日時、場所、講義内容は以下の通りです。ご不明な点があれば進路指導室までお問い合わせください。

実施日時:11月19日(土) 1時間目 14:00~15:00  2時間目 15:15~16:15
場所:敬愛ホール
対象:中学2年生~高校3年生
数学にご興味のある保護者の方の参加も歓迎いたします。

内容:1時間目 ゲームの勝敗

 2人で行う素朴なゲームとして;(1) 2人が交互に手を打ち(ただし打てる手は有限個とします)、(2) 試合に    よらず一定の回数以下の手の打ち方によって、引分けはなく、勝敗が決まる、を満たすようなゲームを考えます。このゲームの展開パターンと勝敗を樹形図で表して、必勝手があるかないかを少し一般的に考えてみます。そして、(1)、(2) の条件が満たされるゲームであるヘックスを取り上げて、皆さんと(1)と(2)を実際に満たしているかどうかを考えてみたいと思います。ヘックスは1942年にデンマークの物理学者 Piet Hein によって発明された正六角形をマス目とするボードゲ-ムです。1948年にアメリカの数学者John Nash も同じゲームを見つけています (通常は 13 ×13 のボードです)。 ヘックスゲームの試合方法と勝敗については当日紹介しますが、このゲームにおいて実感してもらいたい点は、ヘックスにおいて引分けがないことですのでその辺りをゆっくりと説明したいと思います。

2時間目 平面分割と垂直二等分線

 平面分割と垂直二等分線 1つの領域をいくつかの領域に分割して,それぞれの部分領域を管理するといったことはよく見られます.ここでは,分割する領域を平面に限って,平面の分割について考えてみたいと思います.特に中心となる点がいくつかあって,それらの点を中心にして,平面領域を分割する場合を考えてみます.これは,町に同じ施設をいくつか配置するのにどこが良いかという問題などにも関係してきます.例えば,避難所を設置するのに、どのような考えに基づいて設置するのが良いでしょうか.住民がすぐにかけつけられる場所(距離が近い場所)はもちろんですが、高い場所(地形)や避難できる人数(人口分布)を考慮した設置も考えられます.こういった問題の基本的な考え方として,中心となる点と点を結ぶ線分の垂直二等分線が分割の境界線になるということです.この考え方は非常にシンプルですが,これに従った現象が施設配置以外に現実に多くみられます.模擬授業では,四国を例に取り出して,県庁所在地(各県の中心点)と県境(境界線)の関係を今回の考え方で捉えることができるどうかを見てみたいと思います.時間があれば,他の例になどについても触れてみます.