2016年度第1回名中説明会 名中探偵団「クラインの財宝を探せ!」 解答解説

一の手がかり:
校内で、列車の音が響く場所に行き、階段に向かって 右の壁を注意深く調べよ。そこで京都から名古屋へまっすぐ進め。宮崎の先に手がかりはある。

 エントランスに一歩入ると、目の前に「線路」が引いてありましたね。列車というのは、鉄道研究会の模型の事でした。その場所で、階段右の掲示板に注目すると、奥の方に大学受験の合格者数が貼り出してありますね。一番上を見ると、京都大、その下に名古屋大。そう、「京都から名古屋へ」とは、この京都大の文字から名古屋大の文字の方向へ進め、という意味でした。ずっとまっすぐ見ていくと、一番下に「宮崎大」がありますね。手がかりはその先にありました。

一の手がかり「洋は洋」

記号「D」

二の手がかり:
五万の知識が眠る部屋の入り口に立ち、後ろを振り向け。そこに、受験生を応援する男あり。彼は未来を見据える故、その言葉は文字の一つ先を読め。

 新校舎案内図をよく見てみましょう。そこに、「5万冊の蔵書」と書いてありますね。「五万の知識が眠る部屋」とは図書館の事でした。3階に行き、図書館の入り口に立って振り向くと、本に関係した沢山の掲示物がありますが、その中に1つ、明らかに変なポスターがありますね。メガネをかけた男が、ガッツポーズをしながら何か言っています。ポスターをよく見ると、「がんばれ! 受験生!」の文字が。そう、これが「受験生を応援する男」です。この男のセリフをよく見てみましょう。
「すあびちさち しとむら」
 何の事か分かりません。そこで問題をもう一度読んでみると、「その言葉は文字の一つ先を読め。」とあります。1つ先とはなんでしょうか。それは、五十音表を思い出せば簡単です。例えば、「あ」の1つ先は「い」ですね。この規則に基づいて、男のセリフを解読してみると、「せいぶつしつ すなめり」となります。生物室は1階にあります。
そこに行ってみると、ガラスケースに標本が沢山並んでいますね。その中の1つに注目して下さい。「すなめり」の標本がありました。その標本の下の方を見ると、そこに手がかりがありました。

二の手がかり「和は和」 記号「に」

三の手がかり:

月、火、水、木、金、土、日のすべてを見通す巨大な目のある部屋へ行け。南東の方角へ進めば、その先に手がかりを見つけるだろう。

 月、火、水、木、金、土、日 は一週間。一週間を見通す目なんてあるのかなあと思った人。もちろんそんなものは校内にはありません。では、一体何の事なのか。これを一週間と考えてはダメだったのです。火から土の下に「星」をつけると分かりますね。そう、これは太陽系の惑星の事でした(月は衛星ですが・・・)。それらの星を見る目といえば、天体望遠鏡ですね。5階の天文台へ行って中に入ってみると、上の方に方角が書かれています。その方角の、南東の方に行ってみると、下の方に手がかりがありました。

三の手がかり「二つずつ組にして」  記号「ち」

四の手がかり:

下の文に示された場所に行け。名無しのニワトリが導くだろう。

ニルナワーニフナテラニスてにあならわにいわばのにみわなぎわした。

 名無しのニワトリとは何でしょうか?実はこれが暗号を解くヒントでした。名無しは「な」無し。ニワトリは「に」「わ」取りと言う事です。つまり、この文から「な」「に」「わ」を取り去って読めばよい、という事です。実際にやってみると、「ルーフテラス てあらいば の みぎした」となります。ルーフテラスは2階にありますね。その入り口のすぐ近くに手洗い場がありますので、その右下を見ると、手がかりがありました。

四の手がかり「折り重ねよ」 記号「K」

 さて、これで手がかりは全部そろいました。

一の手がかり「洋は洋」 記号「D」
二の手がかり「和は和」 記号「に」
三の手がかり「二つずつ組にして」 記号「ち」
四の手がかり「折り重ねよ」 記号「K」

「洋は洋、和は和、2つずつ組にして、折り重ねよ」。

 さて、手がかりの地図を見てみましょう。その地図には、縦横にたくさんの線が引いてありますね。その線には記号が付いていました。集めた記号はこの記号を表します。記号には、アルファベットとひらがながありますね。そう、「洋」とはアルファベット、「和」とはひらがなの事でした。アルファベット同士、ひらがな同士を組にして、地図の線にそって折り重ねてみましょう。すると、地図の中にある言葉が浮かんできましたね。

クラインの財宝のキーワード
「どんなことにも感謝しなさい」

 この言葉は聖書にある言葉です。「テサロニケの信徒への手紙一 5章 18節」にあります。イエス・キリストの事をたくさんの人に伝えた、パウロという人が書いた手紙の中の言葉です。
 毎日生活していると、嬉しいことも嫌なこともいっぱい起こりますね。パウロさんは、そのすべてのことに感謝しなさい、と言っているのです。そんな事いっても、嫌なことに感謝なんてできないよ、と思うかもしれません。でもよく考えてみて下さい。一見嫌なことでも、それを通じてできないことができるようになったり、自分が強くなったりすることがありますね。ゆくゆくはいいことにつながっていくこともたくさんあります。
 日頃から感謝の気持ちを持っていれば、そういう事をチャンスをとらえ、自分がどんどん成長していくことができます。受験勉強は大変ですが、自分を成長させるチャンスと思ってがんばりましょう。また、当たり前と思っているようなこと、学校に行くこと、勉強すること、ご飯を食べること、服を着ることなど、どれひとつとっても、誰かが君達のために努力してくれて初めてできていることなのです。そういう当たり前の事に感謝できる人は素敵だと思いませんか?

 昨年からこのような企画を始めましたが、今年もたくさんの人達に楽しんで頂けたようでこちらも嬉しいです。受付で見ていると、あるお母さんと男の子が、手がかりの地図を何度も折り返しながら考えている姿が目にとまりました。まもなく終わりの時間だったので、よほど助けに行こうかとも思ったのですが、余りに真剣に考えている姿を見て、今行っては努力に水を差すことになる、とぐっとこらえて見ていました。十分位して、その男の子は受付に走って来ました。結果は合格。見事謎を解くことができたのです。その男の子とお母さんの嬉しそうな顔は忘れられません。ああ、この粘り強さがあれば、この子はきっと受験でも頑張って合格をつかみ取ることができるだろうな、ととても感動したことを覚えています。準備はかなり大変でしたが、こちらもいい経験をさせて頂けました。今回はご参加有り難うございました。次は入試で合格できますよう、お祈りしています。