減災チームの取り組み

 5月2日に行われた全校避難訓練では、減災チームの生徒は「観察者」となり、訓練が有効に行われているかを確認しました。併せて例年通り訓練に関するアンケートを実施し、結果は後日発表する予定です。

 また4月26日と5月6日には、減災チームの取組をチャペルで発表しました。5月6日放課後には恒例の地下探検も行います。

 「助かる人」から「助ける人」へ。減災チームの取り組みは続いて行きます。

 なお、熊本地震にさいし、交流を持っている台湾高雄市の正興国民中学のMargaret陳先生からメッセージを頂きました。減災チームではまた、JRC部と協同して、募金活動も行いました。

 We are sorry to hear that several huge earthquakes hit Kumamoto and caused
serious damages. As we read the news and saw the historic castle collapsed,
the bridges, buildings and roads destroyed, especially a lot of death and
injury, we feel very very sad. Our Kaohsiung City government has created an
account for donation and we work with the government; donate now and hope
to give some help.

 In the recent years, the earthquakes have been more powerful than before.
Taiwan and Japan are both in the area with active earthquakes. It is really
important for us to get involved in education of disaster prevention.

 Best Wishes,

 Margaret

 減災チームでは、昨年度末に、濃尾地震を起こした根尾谷断層も巡検しました。濃尾地震は熊本地震と同じく断層による地震で、本校近くの大幸八幡社には、その震災碑が残っております。震災碑には、地震で堤防が決壊し、村が離村の危機に陥ったことが記されております。この濃尾地震では義援金が集まり、この震災碑でも、義援金で離村の危機を回避できたことが記されております。そして、この濃尾地震は義援金や社会活動の嚆矢となり、後の関東大震災の義捐体制に繋がったそうです。

参考:大幸八幡社「震災紀念碑」 古典研究会と兼ねている、中学2年生徒による翻字と訳です。

(翻字)

 嗚呼明治廿四年十月廿八日ハ如何ナル凶日ゾヤ。轟然万雷ノ鳴響ヲ発シ、巨大ナル地震、尾濃両国ノ平野ニ起リ、瞬時ニシテ地裂ケ、家倒レ、為メニ、圧死・負傷セシ者、本村ニ於テモ数十名ノ多キニ至リ、実ニ言語ニ絶セシ惨状ヲ極メタリキ。我大字、堤防・用水路ノ如キ、悉ク崩潰セシヲ以ッテ、一朝洪水二際セバ、家屋ヲ流シ田圃ヲ失ウヤ必セリ。故ニ到底茲ニ永住スルノ目途ナキを以ッテ、人々挙リて他町村へ転居セント欲スルニ至レリ。然ルニ畏クモ、聖上皇后両陛下ヨリ莫大ノ御救恤金ヲ下シ賜ハリ、且ツ、復旧工事費七千余円、国庫金ヲ以ッテ下附セラレシ故ニ、村民工事ヲ受負ニ、工夫千余人ヲ督シ、歳余ニシテ効成リ、旧形ニ復セリ。乃チ、衆民此ニ安堵シ、業ニ就クコトヲ得タリ。コレ実ニ皇恩ノ辱キト、其他諸国有志者ノ義捐金ヲ恵与ラレシコトニ依レリ。邨民一同感佩ニ堪ヘス。茲ニ之ヲ表ス。

 明治廿六年十月廿八日建立

 六郷村大字大幸 一同

(訳)

 ああ明治二十四年十月二十八日はなんたる凶日であっただろうか。

 多くの雷が轟くような音を発して巨大なる地震が尾張・濃尾両国の平野に起こり瞬時に地が裂け家が倒れた為に圧死・負傷した者は本村(大幸村)においても数十名の多さに至った。まさに言語を絶する惨状を極めていた。私たちの村では堤防や用水路はことごとく崩壊した。このままでは、ある日洪水に遭ったらその時は家や田畑を失う必至である。ゆえに、到底この時に永住する目途ないので人々すべて他の町村へ転居したいという考えに至った。

 その時に畏れ多くも天皇皇后両陛下より莫大な救済金をいただき、一方復旧工事七千円(現在のお金で約一億円)を国からの支出から出していただくことになったので村は工事を請け負うのに工事する人を千人以上使い一年以上かけて復旧して元に戻すことができたので村の人々は安堵して仕事につくことが出来た。

 これは本当に天皇の御恩と他の国の有志をたより義捐金を恵んでもらった。村人一同感謝することこの上ないことをここに表す

 明治二十六年年十月二十八日

 六郷村大字大幸 一同